here we are
華原朋美としての12枚目シングル
この曲は金曜ドラマの「ランデヴー」の主題歌だった
今だったら好きなんだけど、当時10代の私は1話目で挫折した
落ち着いた大人のドラマというか、約20年ぶりに見ることになると思わなかったけど面白かった
ランデヴーと共にこの曲も振り返りたくなったので
多分、華原朋美のシンデレラストーリーの転落は色んな人がレビューして、好き勝手言われてきたと思うが、私も好きなように語ろうと思う
華原朋美は恋人の小室氏のプロデュースでデビュー
I BELIEVE、I‘m proudとメガヒットを生み出し、1stアルバム「LOVE BRACE」は本当に名作だと思う
小室氏のアルバム曲って、多分多忙だからなんでしょうが何となく数合わせ感が強くて。
引退した安室さんのアルバムなんかは・・・うーん。って感じ。(SWEET 19 BLUESあたり)
その点LOVE BRACEは全部がシングルカットしてもおかしくないクオリティで、アルバム一枚ちゃんと聞けたのは久々だったと思う
2nd アルバム storytellingも好きは好きだが、リミックスが多かったりで熱量は下がってきてたなって感があった
曲もhate tell a lieは若干恋人感のすれ違いも感じるし、「何から何まであなたがすべて」何て重すぎる・・・
「たのしく たのしく やさしくね」は小室さんとの作詞共作だが、本人もインタビューで言っていたとおり全然楽しい曲ではないと思っていた
そして、プライベートレーベルのORUMOKUからワーナーに移籍、tumblin’ diceが発売
この曲は今でも壊れ具合が好きだが、最初聴いた時は「えっ!?」だった
歌詞も
サイコロ廻すの? 1は煙突?
ある意味恋愛安定期なのかなと思いつつ、恋愛感が感じられない歌だなと思った
そして今回のhere we areが発売
ドラマ主題歌ということで、再ヒットを期待した
1話だけは見たので、聴いたが「ふーん」が率直な感想
here we are
直訳すれば「私たちはここにいる」
あ、2人のラブソングなんだ
と思ったものの、歌詞を見る限り彼女と彼のラブストーリーではなかった
これも華原さんのインタビューでI‘m proudみたいな曲をリクエストしたらしいが、それでこの曲?
10代のガキなりにこれはヒットはしないだろうなと思ってしまった
ランキングは5位 当時TKファミリーにしてはあまり良くない成績だろうと思う
ただ、年齢を重ねるとそこまで高音ではないキーと、メロディラインはクセになるし、悲しいかな2人の終わりすら見える歌詞が切なすぎる
色んな人が言っていたが、こんな別れの曲を歌わせるなんてひどい!
と今までは私も思っていたが、ランデヴーを見て少し印象が変わった
ランデヴーのテーマは一夏の逃避行じゃないかと思う
ドラマで流れていた部分の歌詞は、イメージにぴったりだと思うし、これはこれで名曲だなって改めて思った
ただ、歌番組で歌う部分で聞いてて胸がグサリとなった歌詞が(ドラマでは使われていない歌詞)
Here we are
いつでも
夢を助けてもらったこと
今はとても
感謝している
これを恋人に歌わせるかねー
でも、これが当時の2人の関係だったと思う
華原さんの直近のエッセイでは小室氏はほとんど同棲していた家には帰らず、海外でのレコーディングだったらしい
破局は2人にも明白だったんじゃないかなと思う
そして程なくして華原朋美と小室哲哉の破局
当時はセンセーショナルだった
20年余りが過ぎ、大人の男女であれば当然こんなこともあり得ると今なら思える
小室氏をフォローするつもりではないが、here we areの収録された最後のTKプロデュースアルバム「nine cubes」
ファンの間でも奇作と言われている伝説のアルバム笑
でも、私は好きだ
確かにLOVE BRACEと比べるとクオリティや熱量が全然違うし、
ただ、storytellingと比べるとしっかりした9曲だったとも思う
Nine cubesの制作では、一部小室氏の追っかけドキュメンタリーで放送されていた
本作は手抜き作とは言われているが、ドキュメンタリーを見る限りは売れっ子プロデューサーの小室哲哉は納期に追われて1曲作っては日本へレコーディング指示をして、そこまで手抜きとは感じられなかった
クオリティは何ともではあるが、一部作詞の共作を除いては彼女の楽曲全てが作詞作曲は小室氏が手掛けているのである
安室さんやglobeは一部作詞や作曲がMARCやブレーンの久保こーじさんの曲だったりで
そういう意味では、最後まで彼女をアーティストとしてプロデュースはしたんだろうと思う
これもひどいなぁと思うんだが、
Nine cubes内にneeds somebody’s loveという曲が収録されている
テレビでも何度か披露していたが、
「私もこのまま何も知らないまま あなたをずーっとずーっと必要としていくね」
この歌詞は当時好きにはなれなかった笑
が、もはや愛情を超えて破局目の前のカップルの心境の表れと思えば、これはこれですごいと思う
本題、here we areに戻ろう
これはあくまで推測
多忙な小室氏は、おそらくランデヴーの世界観でドラマでOAされた歌詞の部分を作成した
ランデヴーは誰かと結ばれるストーリーではないのだから、当然愛し合っている2人は描かれない
これはクリエイターとして正解
ただ、曲の尺としては短いのでドラマ以外の部分はおそらく小室氏と華原朋美の関係性や感情を私小説的に作詞したんじゃないかなと思う
そう考えれば、そこまでひどいことではないと思うし、当時の思いやドラマの世界観を反映した良い楽曲なんじゃないか
そう思えました
Here we are
繰り返しだけど私たちはここにいる
別れても同じ地球に生きている
これも10年前になってしまうが、FNS歌謡祭で華原さんと小室氏が共演した
正直鳥肌が立った、原キー I’m proud
2度と見られないと思っていた
彼女はずっと彼を見ながら歌っていた
10数年経って愛情は無くなってしまったかもしれないけど、感動的だった
音楽は年月の経過とその時の背景で色んな味わいができる
何となくつかえていたものが取れたような気がした
https://www.uta-net.com/song/10443/