DAIRY NEWS

病気、HSP、セクシャルマイノリティと生きづらさを抱えたアラフォー男です

映画レビューしてみる 「PLAN 75(主演 倍賞千恵子さん)」

映画 PLAN75(主演 倍賞千恵子さん)を観たレビュー
公式サイト
https://happinet-phantom.com/plan75/

 

今回はネタバレ含んで色々書きたいので、観てない方は回れ右でお願いします♈︎

 

 

 

               ♈︎♈︎♈︎♈︎♈︎

 

 

 

端的にストーリーをまとめると、少子高齢化の影響で75歳以上の高齢者に10万円支給して、自死できる制度(PLAN75)ができたって話

・主役のミチ(倍賞さん)は78歳でホテルの清掃員、家族なし(結婚歴はある)
・岡部(磯村くん)はPLAN75の役所の担当
・あとのキーマンは自死制度のお世話をする介護士のアジア系女性マリア(この女優さん有名なのか分からん)

 

意外とミチ、岡部、マリアは絡まずで3部構成って感じですかね

 

①ミチ(倍賞さん編)について
前半は高齢者同士の4人グループでで清掃員しながら、裕福ではないけど時々遊んだり、ほんわか高齢者ライフ・・・
が、4人のうち1人がホテルの仕事中倒れて、死亡事故は悪評につながるのか、高齢者4人は解雇になってしまう

 

セックスアンドザシティほどの4人の友情って描写ではないけど、単身でそれぞれの事情を抱えながら清掃員として生計を立ててってのが、解雇で一変する


倒れた1名は治療中なのか音信不通になる(ミチが心配して家に行ったら・・・多分亡くなってた風描写・・・)
残り2人も嫌だと言っていた家族との同居やらで、ミチに構っている余裕はない
ミチは78歳で再就職もなく、生活保護を選択肢に入れないといけないと不動産会社に言われ微妙な表情(多分、そこそこの良い家なので家賃が高いのだろうと思われ)

ってのが中盤までの流れ

細かい描写はないけど、ミチは結婚歴があって天涯孤独ってことではないみたい
それぞれの人生であり、私も当然こんな未来なのかもしれんし

 

描写としては年金で悠々自適なほどではないんだろうなという雰囲気(厚生年金レベルは対象外なんだろう)

 

ここまで頑張ったんだから生活保護でもいいんじゃないかって思って見てたけど、やっぱりプライドは捨てきれない描写が切なかった
最終的には80近い高齢女性が夜中の寒空で警備員までやって、その時の本当に倍賞さんの表情が悲しかった

 

で、結局ミチはPLAN 75を申し込み、自死までのコールセンター担当者(女性・磯村くんじゃない)と電話でやり取りしたり、こっそり会ったり
楽しい時間の描写が続く

基本的にPLAN申込者と担当者は接触不可だけど、この女性はこっそり会って
結局情が深くなって、最後の電話のやり取りは涙しながら・・・と言う展開に

 

この辺は、個人的にはあまり感傷的にはならずで、病院だったり介護施設だったら死を看取る仕事はたくさんあるわけで
そうなると、禁止事項を破って干渉してしまった結果ではないかなって思ってしまったり(死に立ち会うわけでもないし)
私は涙が出るほどではなかった(最後のお別れ電話シーンは見ていて切なかったが)

 

少し系統は違うが似たテーマで浅野いにおさん(漫画家の)「短編集 ばけものれっちゃん/きのこたけのこ」
で「TEMPEST」という読み切り作品がある

大分内容はシビアなのと、この読み切りは85歳以上手厚いサービスで90歳まで自死を選択するかと、どちらかというと自死を選択しなかった主人公のストリーがメインなので興味があったらぜひ読んでいただきたい

加えてPLAN75では75歳と浅野さんの読み切りでは85歳(90歳)っていう10〜15歳の違いではあるんだが、75歳ってのはこのご時世と、希望のない私の70代未来はおそらく70歳くらいまで働くの当たり前のようになるんじゃないかって感じてしまい、 75歳での自死選択ってのが個人的には残酷な年齢設定だなと感じた

流石に85歳〜って健康寿命延長も科学の限界だろうし、そこまで働かされるイメージは持てなかった

https://a.r10.to/hNEsO8

 


話はミチに戻り、ラストシーン
ミチは直前で自死のガスを吸わず自死には至らずで、施設を出る描写でのラストシーン

特に言及もその後もない

ただ、「生きよう」とは思ったんじゃないか
と感じた

かといって、何か明るい未来はあるわけではないが、何となくラストシーンの夕日に「希望」を感じた

もちろん生活保護という選択肢もあるし、リアルに絶望展開ではないはず

結局のところ、安楽死にもつながる作品だと思う


安易に自死制度を認めるべきではないとは思うが、がん治療経験者としては治療の見込みがなく緩和療法ということであれば、緩和療法もお金が必要だし、痛い思いして食って垂れ流しの人生って考えると正直ゾッとする・・・ので、こんな状況になったら人生の終わりスイッチを押す権利は欲しいなと思う
が、誇りを捨てて生きることが本人にとってどれくらい辛いのかって問題もあるだろうし難しいところである

 

最後に倍賞さんってやっぱり年齢重ねても女優だなぁって
「声がキレイ」って言われるシーンはあるし、多分婆さんの役だから外見は化粧とか極力せずで確かに年齢相応だけど、演技している時の凛々しさが素晴らしい・・・。

 

少し長くなってしまったので、磯村くん他のシーンは別で書きたいと思います

 

お読みいただきありがとうございました